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VOICES
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6年ぶりのニューアルバム
「密林戦線」に感じること
音楽評論家 鳥居絶句
2024年、前作「警戒前夜」から6年の時間を経てリリースされたニューアルバム「密林戦線」。全体を通して感じたファーストインプレッションは、これまでにない楽曲のユニークさが広がっているということだ。歌のメッセージ性は、腐敗した社会へのアンチテーゼや政界に対する不満や怒りを相変わらず謳っているのだが、新たな試みも見えてきて曲を楽しめるワクワク感がさらに増したように感じる。いくつか取り上げると、韻を踏んだ歌詞をラップ調に仕上げたり、70年代の洋楽ロックを彷彿させるアレンジやアイリッシュロックの匂いを漂わせる曲、ザ・ビートルズの実験的な中期あたりにインスパイアされた音の逆再生やギターサウンドなど、シンプルな曲を側面から触りながら絶妙な切り口で見せていると言えよう。
「密林戦線」には、前作「警戒前夜」で社会への警鐘を鳴らしてきたその結果がこのアルバムに反映されているように感じる。実際、前作が発表された2018年の4年後、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった。そしてイスラエルのガザ地区侵攻、、、どんな理由でさえ愚かな争いを許すわけにはいかない。「警戒するんだ!」と声を上げた前作から、本当に争いが始まった今、このアルバムで密林=社会、そこに張られたさまざまな戦線の中をどう生き抜いていくのか、を描こうとする悪ジャンの姿勢が見て取れる。
世界が腐敗していけばいくほど、悪ジャンの歌はさらに深みを増していくのだろう。

3rdアルバムをリリース後の翌2019年2月に発刊された謎の週刊誌記事の一部を紹介。


※記事中には実在しない人物が含まれています。
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